【ベルの不等式の破れ実証実験 その後】
古典的な物理的世界観から決別することになるベルの不等式の破れを確定するには、あらゆる可能性を排除する必要があります。
Aspect の実験の後も続いた努力を紹介しましょう。例えば、検出器の抜け穴は、測定漏れがあっては、偶然それらしく見える場合もあるので、物理量の実在証明には不十分だという批判でした。測定漏れをなくすには検知器の効率を極限まで上げれば良いので、当時は無理だったが、2001 年に Rome が効率 100%の検知器を使って解決しました。第 2 の局所性の抜け穴は、光速を超えない相互作用が影響する可能性ですが、1998 年にZeillinger が計測する偏光の高速切り替えと長距離計測を組み合わせて、光速では情報が伝わらない条件で、やはりベルの不等式が破れていることを実証しました。第 3 の自由選択の抜け穴は、計測するべき物理量の選択が影響しているために、これまた偶然、そのような結果になった可能性を排除するもので、2010 年に Sheidl が物理量をランダム選択しても成立することを証明したのでした。
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