【マジックモードロックの由来】
 この論文の面白いところは、この自己モードロックのかかり方です。論文中では、共振器アライメントを”適当に”して、ミラーホルダーを叩いたりすると、自己モードロックがかかって、それなりの安定状態になると書かれています。ただし、それが完全に安定化というとそうでもなくて、やはり何らかの外部からの擾乱が加わると、モードロックは止まってしまってしまうと書いています。通常のレーザー共振器と違うのは、どうも完全にアライメントを取って単一モード発振を目指すより、幾分、高次モードがある方がよいというような書きぶりです。
 論文では、Self-Mode-Locking のスタートは、共振器のミラーをトントンと叩いたり、 レーザーの乗っている光学ベンチに衝撃を与えたりして、レーザー共振器に外部から何らかの衝撃を与えると、それがトリガになって、自己モードロックがかかると記述しています。その一方、モードロック発振しているレーザーが外部的な衝撃を感じると、モードロックは止まってしまうというのです。このような説明はまたモードロックの機構を解明したとはいえないので、外部からはわけがわからないといわれ、マジックモードロックと揶揄された名称で呼ばれていました。

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