【モードロックレーザーとは何か?位相同期とはなにか?】
 最初にモードロック、位相同期とはなにか?という原点から始めることにする。それはレーザー物理の基本に関わってくる疑問でもあるからだ。
 前回の講義で議論したように、レーザー発振には CW 単一モード発振と多モード時発振という2つの定常状態があると考えることができます。教科書に書かれている通り、単一周波数単一モード発振はかんぜんなコヒーレント状態であることは間違いありません。その一方、これまであまり意識されてこなかったようですが、励起パワーが増大してレーザーが多モード化するに連れて、それらのモード間競合が始まり、制御できないカオス状態に移行します。そのなかで、過飽和吸収体のような光強度に依存する非線形損失が導入されると、これら多モード競合の中から、互いに束縛し合ったモード同期発振、それは 多モードの位相が同期したという意味で位相同期状態ですが、に移行して、今度は多モードが互いに束縛することで別の安定状態、定常状態を形成することになります。 始状態と終状態は定常状態として確定できますが、この間の遷移はまさにカオスであって、 確定することができません。ただ、その結果、超短パルスといったレーザーの表す代表的な特質を顕在化したということが重要です。

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