【2022 年ノーベル物理学賞 量子エンタングルメント】
2022 年のノーベル物理学賞は Alain Aspect と John Clauser、そして、Anton Zeillingerger の 3 名に授与されました。Aspect と Clauser はベルの不等式の破れを実証して量子もつれを実証した業績に、そして、Zeillinger は量子エンタングルメントを利用した盗聴不可能な量子通信の業績を評価されました。これは量子力学が生まれてから 110 年(N. Bohr の 1913 年論文を基点とすれば)、アインシュタインが量子力学は不完全だと指摘した EPR 論文から 70 年、ベルの不等式の提案から 20 年経って、量子力学だけでなく、物理学の大問題に決着を付ける糸口を与え、量子情報科学を可能にした重要な研究にノーベル物理学賞が与えられた。物理的実在とはどういうことかを示すこの業績は、ベルの不等式が”もっとも深遠な発見”と呼ばれたように、物理学の存在そのものに影響を与える重大な業績で、本来ならば、その問題を提起したアインシュタイン、それらを区別できるかどうかを判定するベルの不等式を考案したスチュワート・ベルを含めた受賞であってもおかしくない偉大な業績だといえる。科学の進歩は新しいことの発見だけではなく,根本的な問いかけ、Creative Error によって引き起こされることを示している。Creative Error は新しいことの発見と同様、場合によってはさらに価値が高いということを学びたい。今も解決していない基本問題は皆さんの周囲に存在しているに違いありません。
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