【EPR パラドックスからベルの不等式へ 東大 清水明さん】
清水明さんは本年 3 月東大を退職して、放送大学の主任講師になられました。国際物理年に講演されたものを公開しておられたので、それをお借りして、2022 年のノーベル物理学賞の意味するところを確認しようと思います。
量子エンタングルメントはアインシュタインの Creative Error といわれ、物理学の進歩は、試行錯誤、紆余曲折、遠回りを繰り返しながら、進んできたことを示す代表例だといえます。Creatve Error とは、後に誤りだと分ったが、量子論の本質を鋭く突いた問題提起であって、量子論に関する理解を飛躍的に深めたと評価されています。1964 年にBell がベルの不等式を発見した時は、量子論の本質を始めた明らかにした”もっとも深遠な発見”だと評価されました。時として誤りが物理の進歩の原動力となる、と書いていますが、その誤りが最終的に実証されるのには、75 年もかかったのです。そんなに長い間、何が正しいか分らなかった問題に、正しいとか誤りだというのはおかしいですね。

無料ユーザー登録

続きを読むにはユーザー登録が必要です。
登録することで3000以上ある記事全てを無料でご覧頂けます。
ログインパスワードをメールにてお送りします。 間違ったメールアドレスで登録された場合は、改めてご登録していただくかお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

既存ユーザのログイン
   
新規ユーザー登録
*必須項目