【いろいろなレーザーとスペクトル幅】
 これまでに議論したレーザーとそのスペクトル幅(利得帯域)の関係を簡単にまとめてみる。
 もっとも純粋な原子のスペクトルを示している低圧気体レーザーの典型例は He-Ne レーザーであろう。図に見るとおり、利得曲線そのものは 1.2GHz しかなく、その幅も原子の熱運動に起因するドプラー幅であって、比較的短いレーザー共振器の場合は利得幅の中に縦モードが一つしか入らない条件で、単一モード発振させることができる。レーザーが狭帯域な光を作り出すというイメージ通りである。一方、同じ気体レーザーである CO2レーザーでは、振動準位の上に回転準位が重なっている振動回転準位からレーザー発振する。それらは低圧力の条件では図に見るように回転準位は分離されており、実際のレーザー発振は狭帯域発振となる。10 気圧程度の高圧力放電を用いると、圧力広がりにより、これらの回転準位はつながって波長可変レーザーに変わる。

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