【Moulton 1986 年 JOSA-B 論文】
 TiS レーザーの始まりは 1986 年の P.Moulton2の JOSA B 論文からとされています。ところが調べてみると、同じ JOSA B にハンブルグ大学の G. Huber 達3が TiS レーザーの準 CW 発振を報告しています。同じジャーナルの隣り合った論文で、投稿日時も July 15と July 29 とほぼ同時です。被引用数はMoulton が 981、Huber が 266 と差はあるもののそれほど大きな差ではありません。にもかかわらず、TiS レーザーといえば、P.Moulton と評価されるのには、いくつかの理由がありそうです。内容的には、Huber 論文は研究室で育成した TiS 結晶の Ar レーザー励起で安定な CW 発振ができなかったとして準CW 発振を報告したが、同時に別途入手した Union Carbide 製の結晶では完全な CW 発振ができたので、それは別途報告するとした。結晶学者らしく分光学的な特性はきちんと成果を出したが、まだ結晶品質が悪いことを告白していた。

無料ユーザー登録

続きを読むにはユーザー登録が必要です。
登録することで3000以上ある記事全てを無料でご覧頂けます。
ログインパスワードをメールにてお送りします。 間違ったメールアドレスで登録された場合は、改めてご登録していただくかお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

既存ユーザのログイン
   
新規ユーザー登録
*必須項目