【U3+:CaF2レーザー P. Sorokin 1960 年】
調べてみて驚いたことに、1960 年にレーザー発振が成功した後、IBM の P. Sorokin が第 2,第 3 の固体レーザーの発振に成功していたことが分かった。筆者が学生時代にレーザーの研究に入った当時、P. Sorokin は色素レーザーの開発者として有名で、高速コンデンサの開発からルビーレーザー励起、YAG レーザーの第 2 高調波励起など”どこでも活躍する Sorokin”を驚異の目で見ていた記憶がある。その Sorokin がルビーレーザーに続いて 1960 年には第 2,第 3 の固体レーザー発振に成功していたことをしって改めて、どこでも Sorokin なのだと感じ入った次第である。
第 2、第 3 の固体レーザーは U3+:CaF2 と Sm2+:CaF2 である。前者は 1960 年に Phys.Rev. Letters で発表されており、後者は IBM Journal の 1961 年 1 月号に掲載されている。実験が 1960 年に行なわれたのは間違いない。Maiman のルビーレーザーの発振成功の発表は記者発表が 7 月 8 日、Nature 論文は 8 月 6 日だから、Sorokin は準備万端で Maiman の成功を聞いたことになる。
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