【1960-1964 初期の固体レーザー研究】
 波長可変固体レーザーを含む固体レーザーの初期、1960 年から 1964 年の固体レーザー開発の歴史を調べてみました。主だったところを右図にまとめました。1960 年にMaiman がルビーレーザーの発振に成功すると、同じ年に Bell 研究所が追試に成功していますが、それ以外にも P. Sorokin がU3+:CaF2 を用いたレーザー発振を PRL に発表しています。よく知られた Javan によるHe-Ne レーザーの論文は 1960 年 12 月に投稿されていますが、出版は 1961 年となっているので Sorokin の U3+:CaF2レーザーは第 2 のレーザー発振の報告例となります。1961 年になると、Sm2+:CaF2とよく知られた He-Ne レーザーの発振が報告されています。ただし、登校日を調べると、Sorokin の Sm2+:CaF2 論文は 1960 年 12 月 9 日、Javan の He-Ne レーザーは 1960 年 12 月 30 日となっていて、投稿そのものからすれば Sm2+:CaF2が第 3 番目のレーザー発振報告、He-Ne レーザーは第 4 番目のレーザー発振ということになります。(もちろん、このような順番争いは学術的な意味はありません。しかし、一般的にはルビーレーザーの次に発振が報告されたのは He-Ne レーザーだとしてきたので、あえて、詳しく調べてみました。)
 その後、Snitzer による Nd3+:glass が報告され、さらに 1962 年になると Nd3+:CaWO4やPr3+:CaWO4がレーザー発振しました。翌年には Ni2+:MgF2、1964 年には Co2+:MgF2, Nd3+:YAG,Nd3+,Yb3+:NGW, Cr3+-Nd3+:YAG の発振と続きます。

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