【遷移元素の特長】
 酸化数がはっきりしていて化学的性質が明確な典型元素と異なり、遷移元素は複数の酸化数を取ることが多く、鉄が Fe2+,Fe3+のように 2 価、3 価のイオンとなり、マンガンでは、2 価から 7 価までいろいろな酸化数のイオンとなります。そして、チタンやクロムなど波長可変レーザーに使っている元素も複数の価数を持ったイオンになることができます。さらに遷移金属元素は電離してイオンになると有色となるので、水溶液では図に示したような色がつきます。多くは硬い金属であり、他のイオンとくっついて錯イオンを作りやすいという性質を持っています。
 こうしてみると、遷移金属の特長が分かったようになります。ただし、このような特長による分類は、”わかりやすい”が、ずれることもあるので、分類に使うのはよいが、それが基準になっているわけではないことに注意する必要があります。自分にとってわかりやすい理解は必ずしも自然の本質のすべてではないことも理解する必要があります。

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