【ランダムスパイクのモード解析】
 彼らは次に Fabry-Perot 干渉計を使っていくつの縦モードで発振しているのか、直接計測することにしました。ただし、複数のパルスが重なると、それらは独立していて、コヒーレンスが継続していないと思われるので、単一パルスで計測する必要があります。どうして単一パルス計測をしたかというと、レーザーの原理そのものである発振しきい値近傍における単一パルス現象を利用しました。ぎりぎり発振できる条件では、モード数が制限されるし、複数パルスを発振させる余力がないのです。
 ランダムスパイクのモード解析(a)ではロッド長が 2.54cm で両端に銀蒸着しているので、縦モード間隔は 0.111cm-1 となります。FP 干渉計の Free Spectral Range FSRは 0.513cm-1 とセットしてありますが、計測結果は図に見るように,1 次、2 次のリングの間に 3 本のリングが計測できました。この写真では 2 次のリングの方が明瞭に 3本が見えていますが、黄色で囲った中に,3本のリングが見えます。このように、ルビーレーザーの発振しきい値近くでも、3本の縦モードが観測されたことになります。
 ランダムスパイクのモード解析(b)を解析しましょう。ロッド長(共振器長)1cm の条件では、今度は縦モード間隔は 0.281cm-1 ですが、この条件ではやはり単一パルス条件では観測されたリングは黄色で囲った部分で分るように、単一縦モードでした。

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