【Q スイッチルビーレーザーにおけるモード競合と自己ロッキング効果】
CW 発振をする気体レーザーとは異なり、ルビーレーザーのような固体レーザーはフラッシュランプ励起パルス発振の時代です。当時、ノーマルモードと称していた通常発振、すなわち緩和発振はランダムスパイクで構成されており、そのスパイク間の関連性は、時間的にも空間的にもありません。そのため、モードロックの研究はむしろ単一パルスを発生する Q スイッチパルスの中で研究されました。そもそもレーザーの理論は単一モードから出発することを考えると、マルチモード発振は不安定を生じることがあっても、それが超短パルスを生み出す”新たな安定状態”となることは簡単に想像できることではありません。今、我々は安定なモードロックレーザーをさまざまに利用しているから、それが新たな定常状態だと認識しているだけで、結論が確定していない段階では簡単に理解できないのが正常といえるでしょう。ですから、最初は本当にモードロックがかかるのか分らない段階から始まったことを理解しましょう。
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