【モード競合からアクティブモード同期へ】
前述のように、最初はモード競合の研究から始まりました。それが 1964 年になるとアクティブなモード同期実験が報告されるようになりました。このようなアクティブなモード同期の研究は He-Ne レーザーを用いて行なわれました。CW レーザーである He-Neレーザーにおけるマルチモード発振の理論と,光通信の基礎である PCM(Pulse CodeModulation)通信の研究です。1960 年代の光通信では,電話などのアナログ信号をパルス符号に変換してデジタル伝送し、受信側ではまた元のアナログ信号に戻して通信を行なう変調方式を意味します。まだ、ミニコンもパソコンもない時代、デジタル信号処理は太田が計算機の中だけで行なわれていた時代です。レーザーが発明されて通信応用が考えられましたが、当時は、すべてがアナログデータの時代でした。そのような時代を考えるのは、デジタル時代の皆さんにはかなり難しいことでしょう。しかし、モードロックレーザーが生み出す規則的、揃ったパルス列は、PCM 通信の情報を載せるためのレーザー光として最適と考えられたのです。
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