【KD*P 結晶の内部歪みの計測】
 KD*P 結晶の品質を計測した経験があります。1968 年 8 月のことです。4 年生の夏休みにNEC 中央研究所の内田貞二研究室で 2 週間程度、企業研修をした経験があります。当時、内田研究室には、植木さん、吉川さん、関口さんなど有名なレーザー研究者が所属して日本でも屈指の研究室でした。ちょうど、東大を卒業したばかりの鷲尾さんが新人として研究室ゼミで鍛えられているのも目撃しました。NEC は PCM 光通信技術を研究していたので、それに用いる KD*P 結晶の検査を担当しました。高い精度の変調度を保証できる有効ビーム径を決定する必要があったのです。結晶内の応力分布を偏光解消度で計測したのです。実験は簡単で、He-Ne レーザー光をチョッパー変調し、ロックインアンプで直交成分の漏れ光を測定すれば良いことです。大学とは違って、必要な計測装置はすべて揃っており、計測回路を自作しなくてよいのには感心しました。結果とを図に示しましたが、結果としては1)中心部分しか高いSN 比の変調器としては機能しない、2)主因は結晶をカットによる応力分布が原因だという報告書を提出しました。表面は不均一な応力を支えているので、応力による結晶歪みが避けられないので、表面の応力緩和が必要だという結論でした。

無料ユーザー登録

続きを読むにはユーザー登録が必要です。
登録することで3000以上ある記事全てを無料でご覧頂けます。
ログインパスワードをメールにてお送りします。 間違ったメールアドレスで登録された場合は、改めてご登録していただくかお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

既存ユーザのログイン
   
新規ユーザー登録
*必須項目