【チョッパー変調による短パルス化】
 1960 年にフラッシュランプ励起でルビーレーザーが発振すると、その出力ビームを集光すると、直ちに金属板に穴を開けることが分かり、高いエネルギー密度を与えるレーザー光の威力が理解されました。当然、レーザーパルスの強度を上がる技術を求めた研究が始まります。そんな中、1962 年に Collins達はレーザー共振器の中にチョッパーを持ち込んで、チョッパー変調を試みました。チョッパー変調はレーザーの共振器にはほとんど手を付けず、チョッパーを挿入するだけですから、もっとも手軽な方法だったでしょう。フラッシュランプで励起をした当初はレーザー発振ができず、一定の遅延を与えた後で、チョッパーディスクの開口部が回ってきて発振可能になります。そうすると、そのような制御をしない場合に比べて、ピークパワーが 6 倍になることを発見しました。共振器の Q 値を変化させて、反転分布が十分に大きくなるまで、エネルギーを蓄積させる Q スイッチ効果が実験的に確かめられました。このようにして反転分布が十分に大きくなるまで発振させなければ、パルス発振出力が大きくなるという予測はレーザーの特許を取ったグールド自身が予言していました。その通りになったわけです。そのときのチョッパー特性は 1/2 インチ幅のスロットがついたディスクを 1000rpm、すなわち 167Hz で回転させたもので、ルビーロッドの太さは 0.2 インチ=3.2mm でしたので、開口時間は 82ms、スイッチが開き始めてから閉じるまでの時間は190ms でした。

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