【より高度な無反射膜の形成法】
無反射コーティングではちょうど無反射条件にある薄膜材料があれば、単層で無反射にできることを示しました。ただし、その条件は2つの問題を抱えています。第1はちょうどそのような屈折率を持った透明材料があるかどうか、第 2はそのように形成された無反射膜はそのままでは手を触れることもできないソフトな膜で、それらを保護する硬い保護膜が必要で、それらを含めた複数層の無反射コーティングを設計する必要があります。今では膜設計ソフトで簡単に設計できて、レーザー用の高耐力無反射膜には多層構造が用いられます。
古いレンズに生じたヤケの構造をよく見ると、それらは表面から水素や水が入り込み、ガラス内部のアルカリ金属元素などとイオン交換することで屈折率を変える現象だと分かります。表面からのイオン浸透とイオン交換なのですから、単層光学薄膜とは異なり、表面層の屈折率は表面から内部に連続的に変化しています。これはマイクロ波導波路の無反射終端と同じ構造ということもできます。無反射終端では図に示したように、導波管のインピーダンスは連続的に変化する結果、完璧な無反射条件を実現します。
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