【光音響信号を閉じ込める】
アルファフォンが光吸収で発生した温度上昇をガスに移し替えて圧力上昇を静電マイクロフォンで検出するのは、あまりに迂遠的と感じた筆者は、光音響信号パルスを直接測定できないかと考えました。パルスレーザー照射で固体の温度が瞬間的に上昇すると、超音波が発生します。ならば、その超音波は固体に閉じ込めたまま計測するべきだと考え、超音波に対する音響インピーダンスを調べました。媒質中の音速と音響インピーダンスを調べたものが右の表です。
見たとおり、銅やアルミといった金属、石英ガラスと空気の間には 10 万倍もの音響インピーダンスの差があり、固体内の超音波は完全に固体内だけで伝播します。水は固体の一桁低い程度のインピーダンスなので、試料と伝送路の間のインピーダンス整合に役立つことがこの表から読み取れます。
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