産業用高出力ファイバーレーザーの開発

 光通信用ファイバーレーザーの時代からファイバーレーザーの励起方式は、出力増大に合わせて励起パワーをスケーラブルにする方向で努力が続けられてきた。フラッシュランプの時代を除けば、ファイバーレーザーは、当初の(a)コア励起から(b)クラッド励起に発展して、高出力化に必要な励起入力を可能にしたことを前回報告した。輝度圧縮のデバイスという意味でのレーザーから見た場合、コア励起からクラッド励起への転換はそれだけで(125/5)2=625倍の輝度圧縮をしていることを忘れてはならない。
 一方、クラッド励起も端面励起の一種であるので、細いコアで吸収されれば励起光波少しずつ弱まって行き、無限長のファイバーレーザーを励起することは出来ない。吸収されて減衰した励起光を、途中で継ぎ足すことが出来れば、原理的に無限長のファイバーも励起できる。そのような考えで開発されたのが、(c)V溝(V-groove)励起である。これは励起用クラッドにV型の溝を形成することで、側面から照射した励起光をクラッドに入射するもので、クラッドの全反射角内に入った励起光はV溝を中心に左右に伸びるファイバーレーザーに励起光を供給できる。クラッド励起光が減衰した地点にV溝を形成すれば、原理的に無限に励起可能な長さを伸ばすことができます。Vグルーブ方式の問題は、クラッドに傷を入れた結果、ファイバーは少しの力でも折れてしまうことです。ガラス細工の経験者には常識ですが、ガラス管を中途で割る場合には、薄刃のやすりで小さな傷を付け、バーナーであぶって溶かしたガラス細管の先端をくっつけることで熱歪みを与えて簡単に折ることができます。口径が5 mm程度のガラス管の場合は、単にガラス管を両端から引っ張るだけでガラス管を折ることができて、これが一番、きれいな切断面を作る折り方です。肘を張って引っ張りながら、適当な曲げの力を加えてガラス管を切る技術は、研究室には行って最初に教えられる実験技術の一つでした。

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