ファイバーディスク製作のための巻き取り装置
当初、つりに使うリールで一層に揃えてファイバーを巻き取れば、ファイバーディスクができると簡単に考えていた。そして、巻き取ったファイバーディスクを高温炉で融着すれば石英製のファイバーディスクが完成する。まさに素人考えで、ことは簡単ではなかった。
温度の高い状態で石英ファイバーを巻き取れば、軟化点と溶融点の温度差が大きな石英ファイバーは柔らかい液体のような状態で巻き取られながらくっついてくれると期待したが、その条件制御は困難で成功確率は低く、うまくいかないことが多かった。少しでも硬すぎると、巻き取る間にファイバー間に摩擦が生じ、そこから傷が入って、ファイバーは折損することが多かった。ファイバーにポリマーコーティングがなされていることは、ファイバーを線引きするために必要なプロセスだと思い知らされた。特に最初は、ディスクを作るために、正方形断面のファイバーを線引きすることが難しかった。正方形の角に応力集中し、ファイバー折損が発生した。ここでもファイバー線引き過程はまさに流体力学の世界であることを学ばされた。
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