ファイバー線引き技術
プリフォームが完成すれば、ファイバー線引き機でファイバーを用意しなければいけない。光ファイバーが0.2 dB/kmという理論限界の低損失に達するには、単に不純物を減少させ、残留吸収を極限までなくしただけではいかない。最後はガラス分子のレーリー散乱との戦いとなる。
レーリー散乱を極限まで減少させるには、ランダムに並んでいるガラス分子 の並びも揃わせてやるくらいの技術が必要になり、それにはファイバー線引き速度を高速化する必要があった。日本のファイバーメーカーのほぼすべてが電線メーカー出身であることは、単に応用が通信で共通だというだけではない。ファイバーの高速線引きには、電線線引きの経験が大いに生きたのであった。もっとも皮肉なことに、銅線の場合はいくら高速で線引きしても、電気伝導度が変化することはないが。
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