【高出力レーザーとアダプティブ光学の関係】
 レーザーは高出力であればあるほど良いのは当然であるが、レーザーの本質は質で量を凌駕するところにある。100 W の白熱電球と同じ出力のレーザーがあれば、それらができることを比較すると、レーザーとは質で勝負するデバイスだということは明白です。同様に、同じ出力でもヒーム品質を改善するアダプティブ光学はレーザー光の能力を高める技術として重要で、しかもビーム品質が10倍良くなることは、集光強度は100倍と2乗で効くので、その効果は絶大で,レーザー技術の中でも重要であることは間違いありません。にもかかわらず、我が国ではアダプティブ光学自身の研究はそれほど盛んでなかったという歴史があります。それは、当初のアダプティブ光学研究がミサイル撃墜などの軍事技術として始まったことと関係していました。レーザーの軍事技術化などを考えずに産業用レーザーなどを念頭に置いていた我が国では,単体で応用することが中心で、レーザー発振器のレーザー品質改善で満足してきたといえます。

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