【電子ビーム蒸着膜の問題を発見】

  高性能光学薄膜の必要性については重力波研究を始めた認識していましたが、1990年当初はイオンビームスパッタリングが必須の技術だとは知りませんでした。このような蒸着技術が不可欠だと理解するようになったのは、ニューポート社を訪問してスーパーキャビティーミラーの技術について議論したり、PMS社やLitton Airtron社などの米国メーカーと情報交換する中で、認識を深めました。しかし、筆者がそれまでつきあってきた光学メーカーでは電子ビーム蒸着技術で光学薄膜を作っていたので、研究当初は勢い、電子ビーム蒸着でいけるところまで行こう、と考えていました。そんな中で電子ビーム蒸着光学薄膜の問題点を、自分自身で発見することから、研究方向はイオンビームスパッタリングに大きく方向転換しました。

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