【周波数安定化固体レーザー:何を物差しとするか?】
MISERの周波数を外部に設置した参照共振器を用いて計測しながら、共振器からの反射光を検出し、参照共振器にもっとも整合するようにレーザー光に直接接着したピエゾ素子にフィードバック信号を与えてレーザー周波数の制御をします。このような安定化手法はPound-Drever-Hall法といいます。電磁波制御のために開発されたPound法を、グラスゴーからCITに移動したDreverがJ. Hallの協力を得て光領域で実現した方法で、周波数安定化の基本的技術となっています。CITの重力波アンテナLIGOの研究指導者であったDrever先生は重力波アンテナに関するさまざまな技術を独創的なアイデアで解決した研究者で、LIGOが重力波を計測したときには必ずノーベル賞を受賞すると思われていましたが、残念ながら受賞の半年前に亡くなったので、受賞はBarishがすることになってしまいました。しかし、このPDH法なしにはレーザーの安定化が不可能だったので、これだけでも超微小な空間変位の計測が必要だった重力波研究にとって最大の貢献をしたといえるでしょう。
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