【ピコ秒パルス拡張、パルス圧縮の実証】
‘F. Gires and P. Tournois, Compt. Rend. 258, 6112 (1964). ‘J. A. Giordmaine, M.A. Duguay, and J. W. Hansen, Quantum Electron. Shank eta/. 762 4,25211968). ‘R.A. Fisher, P. L. Kelley, and T. K. Gustafson, App!. Phys. Lett. 14, 140 11969).
電磁パルスをパルス圧縮する手法については、古くからマイクロ波研究で行なわれていたが、それを光学周波数にまで拡張するのは、Gires, Giordomine, Fisherらの先駆的研究があった。実際にクリアーなパルス拡張、パルス圧縮の実験に成功したのは、右に示した Nakatsuka ら(IBM)の PRL 論文で、1981 年のことであった。彼らはモードロック色素レーザーの5.5psパルスを正の群速度分散をもった 70m 長の単一モードファイバーに打ち込むと短パルスを構成している光のスペクトル分散によって 20ps までパルス拡張することを実験的に示しました。図に 示したように、入力と出力の自己相関から入力は 5.5ps、相互相関からパルス拡張後の出 力はフラットトップな形をした 20ps パルスで、パルス拡張は線形に行なわれたことが分ります。実験条件を計算機シミュレーションで確認したところ、その下に示したようにファイバーを伝送するにしたがってパルスが拡張し、70m で実験と同じフラットトップなパルス形状となっていることが確かめられました。このようにピコ秒パルスではあるものの、ファイバーによるパルス拡張がきれいな線形チャープをすることが確認されたことは 重要で、その後のフェムト秒パルス圧縮への入り口となりました。
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