【薄膜穿孔による Q スイッチ動作】
筆者の卒業研究時代、誘電体多層膜ミラーは高価で出力鏡の反射率を変えたいときは、簡易な真空蒸着装置で金蒸着し、極薄金蒸着膜の透過率を測定して、反射率による影響を測定していました。金属薄膜は一定の吸収を持つので、レーザー発振させると、金属薄膜が損傷を受けて剥がれることもよくありました。そんなとき、ミラーが壊れる瞬間にそれまでのノーマル発振から桁違いの GiantPulse が発生することは、学生達もみんな経験的に知っていました。1963 年に発表された Laser Q-Spoiling Using an ExplodingFilm, . Masters, J. Ward, E. Hartouni, Rev. Sci. Instrum., 34, 365, 1963 という論文は,それを利用した研究でした。
最も簡単な Q スイッチは、共振器内に挿入された光共振を邪魔するシャッターを除去することですから、He-Ne レーザーのような CW レーザーでは、最初はチョッパーなどで光を遮断すれば、オフからオンに変わる瞬間にレーザー光強度は少し上がります。しかし、そのような機械的チョッパーのスイッチング速度は遅いので、より高速のスイッチ方法が求められていました。ルビーレーザーの場合は,フラッシュランプ発振そのものが短時間励起ですから,その利得時間の間にチョッパーでオンオフすることは不可能です。
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