【物理学、物理研究のおもしろさについての議論】
 今日は日本学術会議の物理学一般分科会がありました。私にとって、学術会議の定年規定のためにこれが最後の連携会員としての仕事となりました。分科会の中には物理教育関係者もおられて、最近は物理学がすでに確立された分野で,学生達がおもしろみを感じることができない、という危機感が語られていました。物理が記憶の学問になったというのです。この”研究者が語るレーザー科学のシリーズ”をやってきて感じることは,学問のおもしろみは,その原点を知らなければ,記憶するだけの面白くないものになるということでした。1960 年代にレーザー研究に入った著者は、できるだけ草創期の雰囲気を伝えながら,そのおもしろみを理解してもらおうと、今回の Q スイッチ技術の発展についても,原点から講義しようとしていることに、改めて気がつきました。1960年代のレーザー研究を”追体験”してもらいたい。これは大事なことなのです。現代は知識があふれている時代ですが、それらはいずれも、結果から価値を評価して、理屈づけている思考方法にあふれています。

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