【改めてバイブロニック準位とは何か】
 改めてバイブロニック準位とは何かを考えます。その言葉の意味するところは、電子レベルと振動レベルが結合した状態です。そして、固体レーザーでは希土類添加レーザーと比較されるので、遷移金属によるバイブロニック準位がそれと異なり、前述のように特別視した説明がなされることが多い。見方によっては、これは固体レーザーの歴史から見た視点であり、先行した希土類レーザーを基準としている。
 しかし、別の見方からすれば、希土類レーザーのように 4f-4f 遷移が結晶場から絶縁されている方が特殊なケースではないかということもできる。これは気体レーザーのように原子の持つ能力を最大限発揮できる固体レーザーを求めたアプローチであり、誘導放出断面積を最大化させようという視点でもあった。

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