【過去の研究と向かい合う意味】
 今回の講義を準備して、新しく感じたことがあります。物事をきちんと整理して、一つの視点、価値観からまとめると、現在の結果が出てくる過程を合理的に説明することができます。それによって現時点が合理的な結果だと納得できるので、いわゆる教科書的な説明としては理解しやすいものになります。しかし、それが本当に正しいのかどうかは別の問題だと感じるようになりました。つまり、視点を変えれば、別の発展方向もあったかも知れないからです。現在の結果こそが合理的で、途中で採択されなかった選択は、合理的でなかったから、または劣っていたからだという判断は本当に正しいでしょうか。そして、我々が過去に学ぶというのは、過去の考え方がすべて正しいとして、それを承認することなのでしょうか。違うのではないかと考えます。

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