【CO2 レーザー高出力化の歩み】
 CO2 レーザーはベル研の Patel によって開発されました。ルビーレーザーの成功の後、同じ1960年に Javan は、励起寿命の長いHe 原子から光放出に有利な Ne 原子へのエネルギー移乗させることで大きな誘導放出断面積と長い励起寿命という矛盾を解消する He-Ne レーザーを開発しました。素晴らしいアイデアでしたが、He-Ne レーザーは高出力レーザーには向いていません。Patel は同じようにエネルギー移乗させる分子レーザーである CO2 レーザーを生み出しました。永久双極子を持たない N2 分子は長い励起寿命を持っています。それとエネルギー的に近い CO2 分子が衝突すると、非対称振動準位CO2(001)にエネルギーが移動して、そこからレーザー発振が起こるというものです。

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