1990年代に、Philip St. J. Russellのグループによって先駆的に研究され、フォトニック結晶ファイバーの開発と様々な応用をめぐっては、興味が尽きない。他の考え方を取り入れる一方で、フォトニックバンドギャップ構造の幅広い部分を構成するこの分野は、現在の光学の研究においてもっとも活発な分野であると考えられている。これは、フォトニック結晶ファイバーが、幅広い用途 (下記を参照) にとって興味深い多くの特有の特性を実現するデザインにおいて、多くの自由度をもたらすからであると部分的には考えられる。
図1: よく用いられる、ソリッドコアのフォトニック結晶ファイバーのデザイン。中央の穴がない三角形の空孔パターンがある。グレーの部分は、ガラスを示しており、白丸は空孔で、典型的な寸法は数マイクロメートルである。コア近辺の部分だけが示されている。
フォトニック結晶ファイバー(ホーリーファイバー、ホールアシストファイバー、マイクロストラクチャーファイバー、微細構造ファイバーとも呼ばれる) とは、空間的に変化をするガラスの組成からではなく、ファイバー長全体を通っている極微小で近接した空孔から得られる導波路特性を有した光ファイバーである。そういった空孔は、(大きな)孔で予備成形する、例えば、キャピラリーおよびあるいはソリッドチューブを積み重ね(スタックチューブ手法) 、それらを、大きなチューブに挿入することで作られる。通常、この予備成形は、1 mm程度の径まで行われ、それから、最終的に125 μm ほどのファイバーとなる。特に、柔らかいガラスとポリマー (プラスチック) を用いても、押出法によりフォトニック結晶ファイバー用の作製が可能である[13, 33]。フォトニック結晶ファイバーの特性に応じて、たくさんの種類の孔の並びが存在する。このようなフォトニック結晶ファイバーは、すべて特別なファイバーであると考えられる。
最も単純な (もっとも一般的に使われている) フォトニック結晶ファイバーの種類は、一つの孔がなく空孔のパターンが三角形であるものである(図1を参照)。すなわち、空孔の配列にソリッドコアが囲まれている構造である。この種類のフォトニック結晶ファイバーの導波特性は、実効屈折率モデルでおおまかに理解することができる。孔のない部分は、高い実効屈折率を有しており、これは、従来のファイバー内のコアに類似している。
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