モンテカルロシミュレーション(Monte Carlo simulation)とは

乱数を利用しておこなうコンピュータシミュレーションの総称であり,その適用範囲はさまぎまな物理現象の解析から金融工学まで,非常に広い分野に及んでいる.モンテカルロシミュレーションの特長は,確率的に事象を取り扱うことで,決定論的な解析をすることが困難な対象についても比較的簡単かつ直感的にシミュレーションがおこなえる点にある.反面,大規模なシミュレーションでは,解析結果が統計的に安定するまで膨大な計算時間を要することが問題となる散乱系における光伝搬のモンテカルロシミュレーションは,光を光子の集合としてとらえ,乱数と光学的パラメータを用いて,個々の光子が散乱されるまで直進する距離や散乱されたときの新たな伝搬方向を計算することによって,光伝搬解析をおこなうものである.