ポリマー光ファイバ(polymer optical fiber:POF)とは
その特徴である太いコア径やフレキシビリティを生かして,移動体内通信や照明などに限定的に用いられてきた.しかし,低損失(約100 dB/km).広帯域(2.5 Gbit/sで100 m)のGI(graded inclex)型POFが提案・作製されたことで,POFによる通信網内の大容量伝送が現実のものになろうとしている.その際,POFの太いコア径(500 μm以上)により,光源あるいはファイバどうしの接続が非常に容易なものとなり,ガラスのシングルモード光ファイバの問題点である高精度なアライメントは必要なくなる.現在,フッ素系の母材を用いることで,可視から近赤外に至る広い波長域で非常に低損失であるPOFも研究されており.POFの通信分野への応用は,今後さらに注目を集めると思われる.