フォトリフラクティブ効果(photorefractive effect)とは

空間強度分布を持つ光を材料に照射したときに屈折率が変化する現象.屈折率変化の発生は,欠陥,不純物イオンによる中間準位からの光励起によって自由キャリヤが発生し,それが移動したのち再結合することにより生じる電荷分布の再配置がもとになる.空間電荷分布により電界が生じ,この空間電界が電気光学効果により屈折率変化を生じさせる.屈折率変化量は,光強度ではなく露光量に依存するため,ミリワット程度の低レーザー光パワーで大きな屈折率変化を得ることができる.応用時間は光強度に反比例する.また,屈折率変化は光強度の空間変化に依存した非局所的応答であるという特徴を持つ.主な応用としては,現像不要のホログラム記録素子,位相共役波発生,2光波混合による光増幅,空間光ソリトン発生などがある.代表的な材料としては,BaTiO3,LiNbO3,SBNなどの強誘電体,BSO,BTO,BGOなどのシレナイト化合物,有機材料,半絶縁性半導体材料がある.