フーリエ位相(Fourier phase)とは

光パルスは,周波数領域で見ると,広範囲のスペクトル成分が重ね合わされてできている.この重ね合せの際に,個々のスペクトル成分が担う相対位相を,フーリエ位相と呼ぶことができる.フーリエ位相が,光周波数に対して高々1次元関数にすぎない場合,トランスフォームリミット(7ーリエ変換限界)パルスが得られる.スペクトル振幅が光周波数に対し,左右対称ならば,トランスフォームリミットパルスはチャープを持たない.一般に自己相関関数のフーリエ変換は,相関をとった量のフーリエ変換の絶対値となる.したがって電界自己相関関数からフーリエ位相を求めることはできない.自己相関関数からの光パルス測定では,この限界を克服するために,複数の相関関数を連立し,それらすべてに適合するフーリエ位相の解を求める.周波数分解自己相関関数も,周波数をパラメータとしてとった多数の相関関数を連立していると見れば,この範疇に合めて考えることができる.