適応制御波形整形(adaptive pulse shaping)とは
フェムト秒パルスは,その広いスペクトル特性がゆえに,光学的に形成されたフーリエ周波数面において複素スベクトル(増幅および位相)を変調することで時間域の振幅および位相特性を整形することが可能である.入射パルスの複素スベクトルと伝送路(増幅器,ファイバなど)の特性が完璧に得られているならば直接的に変調マスクを血型することが可能であるが,実際にはむずかしい.そこで,実際の整形波形をモニターしながら,波形豊富形器に最適アルゴリズムを用いてフィードバックをかけ,装置内において数百同程度の繰返し動作をおこなうことで,所望のパルス波形に収束させることを,一般にアダプティプ波形整形法と呼ぶ.強度自己相関波形のピークを参照としたアダプティプパルス圧縮や,FROG(frequcncy resolved optical gating)パターンを参照しながら振幅と位相の両方を整形することなどが可能である.しかし,この方法は,むしろターゲットを波形特性そのものとするのではなく,レーザーと物質の相互作用の際のパフォーマンスを指標としてレーザー波形を最適化するというシステムに適ており,蛍光,吸収の時間特性,光化学反応生成物などが指標として用いられている.