超短パルス発生(ultrashort pulse generation)とは
レーザーの優れたコヒーレンスを利用すると,ほかの光源では得られない,きわめて短い持続時間のパルス光を得ることができる.通常は,ピコ(10-12)秒の単位が用いられる時間領域からそれ以下のパルス光が超短パルス(ultrashort pulse)と呼ばれるが,近年では最短で数フェムト(10-15)秒のパルスも発生可能で,さらなる短パルス化も目指されている.慣習で,1ピコ秒以下を超短パルス,100フェムト秒以下をフェムト秒パルスとも呼ぶ.これらのパルス光の発生方法では,レーザー発振器において多数の共振波長の光波(モード)を,同時に位相をそろえて発振させてパルス化するモード同期法が最も一般的であるが,そのほかにも比較的時間幅の広いパルス光をもとに,ファイバ中の非線形効果を利用して圧縮する方法,連続光を電気光学変調器などを用いて能動的に周波数変調したあと,分散などを利用してパルス化する方法などがある.