多結晶Si(polycrystalline Si)とは
固体状Siはアモルファス状態か,あるいは結晶状態になっている後者の結晶状態は,固体が単一の結晶からなる単結晶Siの場合と,多数の単結晶がいろいろな方位を持ち,集合してできている多結晶Siの場合に分けられる.この多結晶Siの物性的特徴はアモルファスSiに比較すると,より単結晶Siに近いことである.光吸収スペクトルは単結晶とほぼ等しく,キャリヤの移動度や寿命も,単結晶よりは短いが,アモルファスよりは大幅に改善されている.これらの特徴と薄膜多結晶Siがレーザー照射などにより低温で形成できることから,多結晶Siの用途としては,液晶ディスプレイ用薄膜トランジスタや太陽電池があげられる.