スクイーズド光(squeezed light)とは

コヒーレント状態は光の最も基本的な状態の一つである.たとえば,理想的なレーザー光は,コヒーレント状態になっていると思われる.また,量子力学の不確定性原理の要請で二つの共役観測量のゆらぎの積が一定他以上でなければいけないこともよく知られている.近年,光のコヒーレント状態以外にも安定な量子状態スクイーズド状態が存在していることが理論的にも実験的にも確認された.スクイーズド状態においては,二つの共役観測量,たとえば直交位相振幅ゆらぎの積は不確定性原理を満たしながら,一方の直交位相振幅ゆらぎを標準量子ゆらぎより小さくして,ほかの直交位相振幅ゆらぎを標準量子ゆらぎより大きくするようになっている.このように,スクィーズド光の直交位相振幅ゆらぎの一つは,標準量子ゆらぎ制限の壁を破ることができる.