コヒーレントレーザーアレイ(coherent laser array)とは
単位利得媒質長当りのレーザー出力が制限されるRF励起炭酸ガスレーザーや,単位面積当りのレーザー出力が制限される半導体レーザーにおいては,並列に波数の共振器を並べることで全体の出力の増加が図られているが,通常は発振器間の相互コヒーレンスはない.相互コヒーレンスを付加することでビーム間の干渉が起きるのであり,原理的にはこの状態はすべてコヒーレントレーザーアレイである.ただし,一般には,アレイレーザーの遠視野像がインコヒーレントビームの和で現れる場合よリも輝度が高まるような干渉を起こす状態を特別にコヒーレントレーザーアレイと呼ぶのが普通である.その場合には数あるアレイモードから何らかの方法で最低次モードあるいは最高次モードを選択する必要がある.すなわち,単に回折結合するだけで何らかの相互コヒーレンスがアレイ間に形成されるが,有用な位相関係を形成するためには,タルポット共振器のようなモード選択性のある共振器を利用しなくてはならない.