90度旋光子(90°rotator)とは
入射した楕円偏光の楕円率は変えずに,方位角のみを回転させる偏光素子を旋光子という.ファラデー効果を利用したファラデーローテータ(FR)では,磁場の強さを調整して旋光角θを変える.θ=45°とすると,このFRを光が往復すると方位回転角は加算されて2θ=90°となるから,これは,増幅されたレーザー出力の取出しのためや,光のアイソレータおよび熱複屈折の補償のために用いられる.一方,水晶も旋光性を示すが,しかしこの場合の進行方向を逆転させると回転方向も逆向きになり,もとの状態に戻るので注意を要する.水晶製90度旋光子は1回通過型で用いられ,高出力同体レーザーの熱複屈折の補償に応用されている.→高出力完全固体化レーザー