高出力・高繰り返し固体レーザーが産業界でレーザー加工として広く使用されるようになり、これらのレーザー励起光源としてはXe、Krなどの不活性ガスを封入したフラッシュランプや半導体レーザーが使われている。しかしながら、ランプに代わる高ピーク出力半導体レーザーは開発途上にあり、コスト等を考慮すると現状の高出力レーザー動作においてはランプ励起が主流である。レーザーの動作時間は主にランプの寿命によって制限され、ランプの寿命は大きく二つに大別できる。一つは光量が減衰する寿命であり、陰極や陽極物質の蒸発にともなう石英管内壁部の黒化による光量低下である。もう一つは、ランプを構成する石英管の加熱や紫外線による着色および溶解、破損などが考えられる。破損は、石英管に発生した応力が点灯時に石英の破壊強度以上になった場合に生じる。現状では、陽陰極物質の蒸発に伴う内壁部の黒化と石英管の着色による光量減衰が寿命の最大原因となっている。
ランプの破損(爆発)を生じる入力エネルギーEexpを計算することによって、ランプの最大入力エネルギーおよび点灯寿命を決定できる。
一般にアーク長LA、内径dのランプの場合、点灯時間をT=LCとすれば、Eexpは経験的に次式のようになる。
(式1)
ここで、aはランプのガス圧力及びガスの種類によって決定される定数で、a = 2.46×104となる。爆発エネルギーに対する入力エネルギーの比が0.2以上になると、石英管の応力破壊、熱による溶解、電極のスパッタリング等が発生する確率が高くなり、ランプ寿命は短くなる。
ランプ寿命(または点灯回数)Nは、入力エネルギーをEinとすれば、次式のようになる。
(式2)
参考
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