OptiVideo 配信【 レーザー基礎 】3.レーザーの発振特性 励起の強さと利得の変化より

小信号利得係数 (不飽和利得係数) γ0 とは、光子密度 φ=0 のときの利得係数である。そして、媒質を通過するときの利得 G0 = γ0l は小信号利得と呼ばれる。 レーザー媒質の中を伝搬する信号光の強度を I とすると、利得係数 γ(ν) は次式で示される。

1.3.14

ここで、Is は飽和光強度で、利得係数 γ(ν) が小信号利得係数 γ0 の半分になる値として定義される。上式より利得係数 γ(ν) は、共振器内の光強度 I が強くなればなるほど減少することが分かる。これは光の強度が大きくなるほど誘導放出が増えるため、レーザー上準位にある原子の数が減り (レーザー下準位との密度差が小さくなり)、反転分布密度が小さくなるためである。この現象は利得飽和と呼ばれ、レーザーの出力強度や光増幅器の最大出力を決める。上式の利得特性を図 に示す。 ファブリ・ペロー型共振器内における光の強度 (誘導放出を起こす信号光) を Ic としたとき、利得係数は次式で示される。

1.3.15

ここで Ic の係数が 2 になっているのは、共振器内の前進波と後進波を考慮しているためである。光強度を Ic = cφhν とすると、3 準位レーザーと 4 準位レーザーの飽和光強度は上式と定常状態におけるこちらで示したとこちらで示したから求めた反転分布密度を用いることで求めることができる。3 準位レーザーの場合は次式で与えられる。

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