とにかく最短ルートで交渉にあたらねばならない……。
ナナとヒロを連れた加奈は、高等技術施策集団(テクノクラート)の長たる行政担当官に接触を試みたのだった。
しかし、『かの国』による核攻撃の情報を眼前に突きつけられた彼らの返答は、
「頼むから帰ってくれ……」
という懇願だった。もはや考えることをも拒否した現実逃避だ。それではいけないと諭すように加奈は、
「事実から目をそらすべきではない。あなたたちは、核攻撃で死ぬんですよ?」
と熱くならぬよう、できうるだけ冷静に告げた。
「わたしたちはここで平和に暮らしてきたんだ……」
高等技術施策集団(テクノクラート)の行政担当官は、独り言のようにつぶやいた。
「たのむから、私たちの平和な生活を乱さないでくれ……」
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