蟻や雪の結晶、微生物などの小さいものをもっと観察してみたいと思ったことはないだろうか?
人間の目では捉えきれない小さな世界が私たちの周りには数多く存在している。見えないものを見たいという気持ちは科学者だけでなく人々の願いでもあった。
そのような未知の世界への好奇心を満たしてくれるのが顕微鏡である。顕微鏡の原型は約400年前にオランダでヤンセン父子(ハンス・ヤンセン、サハリヤス・ヤンセン)によって発明された。
図1.サハリヤス・ヤンセンの肖像画
ヤンセン父子はオランダのミデルブルフで眼鏡職人として働いていた。
当時、ミデルブルフは商業都市とし栄えた町であった。17世紀には世界ではじめての株式会社、オランダ東インド会社の本拠地が置かれた事からも産業的価値の高い町であったことがうかがえる。
図2.ミデルブルフ画像[1]
そのような人と物が交わる場所で、ヤンセン父子は接眼レンズと対物レンズの二つの凸レンズを組み合わせて現代の顕微鏡の原型を発明した。その倍率は3~9倍だったといわれている。このアイディアをもとに光学顕微鏡は発展を重ね、現在では最高倍率は約2000倍となっており、蛍光顕微鏡やレーザー顕微鏡など様々な種類が存在する。これにより髪の毛やエイズウィルス、半導体素子の表面なども捉えることができる。
小さなものを観察できるというのは今や科学の発展に欠かせない基礎的な技術である。あるゆるものが小型化されていく現代においていっそう重要な役割を果たすに違いない。
図3.200倍に拡大した髪の毛
[1]https://www.google.co.jp/maps
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