狙いすましたように水面にダイブして魚を捕まえることのできる鳥がいる。水面で光が乱反射しているはずなのに、その鳥はどのようにして水中の魚を見ているのだろうか。ただあてずっぽうに飛び込んでいるのではない。その秘密はブルースター角にあるのだ。
ディビィッド・ブルースターはスコットランドに生まれた自然科学者である。二軸結晶の定義や、色の三原色を定義した人物であり、灯台を改良したり、万華鏡を発明するなど光学の分野で活躍している。彼の発明した万華鏡は英米両国でブームになったといわれる。
屈折率の異なる物質の境界面では基本的に反射光と透過光が生じるのだが、ブルースターはp偏光だとはある入射角で反射光がなくなり、透過光のみになることを発見した。この図の右側は窓に光が反射しておらず室内が丸見えになっている。これは偏光板を通してp偏光のみを透過し、ブルースター角で窓を見ているためである
これではじめに述べた鳥がどのように水中の魚を見ているかわかっただろうか。目に偏向板の役割を果たす部分を持つその鳥はp偏光のみを知覚し、反射光のない角度、すなわちブルースター角で水中を見ているのである。鳥が空中にいることや、魚の目の位置を考えてみると魚が為すすべのない事は容易に理解できるだろう。
このように、自然界にも光の性質をフル活用して生き延びている生物がいるのである。
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