空間中のある点P での干渉に言及することがあるが、干渉は非局在の現象であり、空間中の一点でのみ生じる現象ではない。
干渉は、空間中のある領域において、放射エネルギーの全量を変化させないような形で生じる。
光ビームが高密度媒質中を伝搬しているとする。横方向への散乱波は弱め合う干渉を生じ、正味のエネルギー転送は発生しない。
各散乱波が運んでいたエネルギーは、ビームに戻ることになる。量子力学から分かることだが、干渉は物理における最も基本的不可思議の一つである。
エネルギーが連続的に分布している古典的な電磁波は、現実には存在しない。古典的に考える最終的波動場でなく、散乱波と散乱波が作り出す全体像を扱う必要がある。しかし、とりあえずマックスウェルの方程式は電磁エネルギーの巨視的空間分布を与えてくれる。
光軸からの偏角θの関数で与えられる光分布を考える。例えば、スリット状開口から十分離れたスクリーン上の放射照度分布I(θ) = I(0) sinc2β(θ)である。光子数Nを計測した場合は、N(θ) = N(0) sinc2β(θ)が得られる。確率密度関数p(θ)を導入すると、p(θ)dθは、θからθ + dθの範囲で光子が見つかる確率である。この場合、p(θ) = p(0)sinc2β(θ)である。
電界振幅の2 乗は直接測定できる放射照度に対応しており、光子を見いだす確率と等価である。絶対値の2 乗が確率密度に等しくなる量として確率振幅を定義する。光子を検出する確率は放射照度I ∝ E02に比例する。したがって、E0は半古典的確率振幅に比例していると解釈できる。量子力学の形式的取り扱いでは、複素量である確率振幅の絶対値の2 乗が確率密度に対応している。E0を半古典的確率振幅に等価なものと考えるのは妥当であるが、そのまま量子力学に持ち込むことはできない。
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