光とは、電気的性質と磁気的性質が同時に周期的に変化する電磁波であり、粒子的な振る舞いをする光子である。
光は電磁波
図1に電磁波としての概要を示した。図1のように、電磁波が存在する空間に電荷qを帯びた粒子(荷電粒子)を置いた時に、その粒子が受ける力(F=qE)をその電荷qで割った量Eの大きさと方向(赤矢印)について、位置および時間の関数E(z, t)として表したものを電場という。同様に、微小磁石を置いた時の磁極mが受ける磁力について、同様に表したものを磁場という。電場の振動方向(赤矢印)と磁場の振動方向(青矢印)は互いに垂直で、その2つの振動方向に対して、波の伝播方向(z軸)は常に垂直である。
光の振動周波数
この電磁場の振動運動について、1秒間に振動する回数は周波数(ν)と呼ばれ、単位はHzで表される。光は、この振動周波数の範囲によって異なった名前で呼ばれており、その範囲は広範囲に渡っている。一般的に、振動周波数が低い程、波としての(波動的)性質が強く、はるかに高くなると粒子としての(光子的)性質が強くなる。図2に振動周波数νとそれに対応する波長と呼び方をまとめた。
光の波長
簡単のため、電磁波が単一の周波数の場合について図3に示した。電磁波は余弦波または正弦波で表される。伝播する方向をz方向とする。波の山から山までが1周期であり、その長さを波長λと呼ぶ。真空中では、周波数νの逆数に比例する(λ=c/ν、cは真空中での光の進む速さ)。また、図3に電磁波に関わるパラメータも示した。
図2で示したように、それぞれの光の波長の範囲はマイクロ波の1 mから、γ線の10-16 mまで、広範囲に渡る。この広い範囲で異なる光の特性は、様々な物質の構成要素のサイズに応じて相互作用し、非常に重要な役割を果たしている。これは、光が電気的性質が周期的に変化する波であるため、荷電粒子に必ず電気的な力(大きさと方向)を与えるからである。このことを利用して,あらゆる物質から情報を得ることができ、また、原理的にあらゆる物質の特性を可変制御することができる。
Reference and Links
- 山下幹雄(北海道大学名誉教授), 2013.