理想的な点光源を考える。波面は、光源位置を中心とする同心球状に周囲空間へ広がっていく。波面がもつ対称性から、極座標で記述することが便利であると考えられる。極座標系でラプラス演算子は、

2.67
で与えられる。ここで、rθφは次式で定義される。

2.67-2

球対称な波動はθ, φには依存しないので、球面波ψ(r)は、

2.67-3

とおくことが出来る。ψ(r)にラプラス演算子を作用させると、

2.68

を得る。外の微分を実行すると、上式は

2.68-2

となる。この式を書き換えると

2.69

となるので、微分波動方程式は

2.70

と書くことが出来る。両辺にrをかけると

2.71

を得る。この表現は平面波の1次元微分波動方程式と同一形式である。上式の解の一つは

2.72

である。これは、光源から放射状に一定速度υで広がる任意関数形fの球面波を表している。

他の解は

2.72-2

であり、一点に収束する波動を表している。一般解は下記で表現することができる。

2.73

また、特別な場合として調和球面波

2.74

がある。ここで、Aは光源強度とよばれる。平面波とは異なり、球面波は光源から離れるに従って振幅が減衰し、形状が変化する。

外向きの球面波が伝搬するにしたがって、波面の半径は増加する。光源から十分離れると、波面上の小領域は平面波で近似できるようになる(図)。

2.26

図 波源から十分遠方において、局所的に平面に近づく球面波面の模式図

参考文献

E. Hecht 著、尾崎義治・朝倉利光 訳「ヘクト 光学 I 」第9版 丸善(2013)