レンズに入射した光線群が、像面でどのような分布になるのかを描いた図をスポットダイアグラムという。図1は、f = 100 mm、有効径20 mmの平凸レンズの球面収差を表したものである。点像のボケの直径は0.08 mmである。
なお、有効径とは、レンズに入射する光束の直径である。レンズは通常、図2のようにレンズを固定するための枠があり、その内径が有効径となる。ただし、レンズの前に絞りなどがある場合は、その絞りの内径が有効径となる。

図1: 平凸レンズのスポットダイアグラム例(f = 100 mm、有効径20 mm)

図2: 有効径

単レンズの場合、球面収差による点像のボケの直径は、レンズの有効径の3乗に比例することが知られている。そのため、絞りでレンズの有効径を小さくすると、球面収差は急速に小さくなる。

球面収差を小さくする方法として、有効径を小さくすること以外に2つの方法がある。

凹レンズと組み合わせる

凸レンズと凹レンズでは、球面収差の発生する向きが逆なので、適切に組み合わせれば球面収差をキャンセルさせることができる。ただし、完全にキャンセルすることはできないため、球面収差をゼロにすることはできない。

図3は凸レンズと凹レンズを組み合わせた、ダブレットと呼ばれるレンズにおける光路図である。図1の例で取り上げたf = 100mm、有効径20 mmの平凸単レンズの代わりに、同じ仕様のダブレットを用いると、点像のボケは直径0.006 mmとなり、単レンズよりも1桁小さくすることができる。

図3: ダブレット

非球面レンズを使う

球面収差はレンズの表面が球面のため発生するので、レンズ表面を非球面にすれば、球面収差を完全にゼロにすることが可能である。図4は非球面平凸レンズの光路図の例である。平凸レンズ前面を適切な非球面にすることで、球面収差を抑えている。

図4: 非球面レンズによる集光