高密度媒質を光が通過するとき、前方以外のあらゆる方向で散乱波は打ち消し合う。光は前進する光ビームとなる。ただし、不連続境界では後方散乱が存在する。二つの媒質の境界において1波長以上にわたる長さで誘電率が変化する場合、ほとんど反射は発生せず実効的には連続とみなせる。1/4波長以下での変化は不連続面となる。

内部反射と外部反射

均質なガラスブロックを光ビームが伝搬している(下記図a)。光ビームに直交する面でブロックを2分割する(下記図b)。
Hecht Figure 4.12

 

図 空気・ガラス境界面での反射

(a) ガラスのような均質で密度の高い媒質を伝搬する光ビーム。

(b) ガラスブロックが分割されると、新しい境界で光は後方に反射される。ビームⅠは外部反射、ビームⅡは内部反射。

 

切断前、ガラス内部を左に伝搬する光ビームは存在しない。切断後、右側ブロック表面で反射され左に伝搬するビームⅠ が生じる。表面と直ぐ奥にある散乱体領域は対となる領域を失い、後方への散乱波が打ち消されなくなる。対となる領域は、切断後に左側ブロックの表面および直ぐ奥の部分になっている。切断前に、この対領域が発生する後方散乱波はビームⅠと振幅は等しく位相が180°ずれており、相互に打ち消し合っていたのである。切断後、この後方散乱波はビームⅡとなっている。実効的に反射に関与するのは、表面近傍薄層(≈ λ/2)内の対になっていない原子振動子である。空気・ガラス境界の場合、入射エネルギーの約4%が反射される。
光学的に低密度(屈折率が小さい)な媒質から高密度(屈折率が大きい)な媒質に入射するときの反射を外部反射(例えば、ビームⅠ)、逆の場合を内部反射(例えば、ビームⅡ)と称する。ガラスブロック切断面間隔を徐々に小さくすると、反射光は減少し、完全に密着できれば反射光は消失する。内部反射光と外部反射光には、相対的に180°の位相差があることに留意する必要がある。鏡等に白色光を入射したとき、反射光は白色光である。この理由を考える。実効的に寄与する散乱体層厚はλ/2である。波長が長いとより深い領域(従って、より多くの散乱体)が反射に寄与する。この効果が、個々の散乱強度波長依存性(∝1/ λ4)を埋め合わせており、反射率の波長依存性を無くしている。

 

参考文献

E. Hecht 著、尾崎義治・朝倉利光 訳「ヘクト 光学 I 」第9版 丸善(2013)